品種改良により誕生した新しい種類の梅

品種改良により誕生した新しい種類の梅
梅は古くから栽培され、多くの品種が生まれました。品種改良の目的は、花の色や形・香り・開花時期・果実の大きさや味・耐病性などを改善することです。近年では、次のような新しい種類の梅が誕生しています。まず一つ目の「星高(せいこう)」は、南高梅の改良品種で黒星病に強く、果実が大きくて甘酸っぱいのが特徴です。2015年に登録出願されました。二つ目の「思いのまま」は、野梅性で一本の木に紅白の入り混じった花を咲かせます。しかし、色の咲き分けができないので、思うように色をコントロールできないという欠点があります。三つ目の「鶯宿梅(おうしゅくばい)」は白梅の改良品種となっており、花の色が淡いピンクに変化するのが特徴です。平安時代の逸話にちなんで名付けられました。四つ目の「スモモウメ」はスモモとウメの交雑品種で、果実が大きくて甘く果汁が多いのが特徴です。梅干しや梅酒には向かないので、ジャムやパイなどに加工されます。
南高梅の名前の由来は?梅の品種としての特徴は?
南高梅は、梅の品種の一つです。和歌山県を主な産地とする白梅で、明治35年に発見されました。発見した人が高田貞楠さんだったので、もともとは「高田梅」と呼ばれていました。貞楠は、ひときわ豊かに実り大粒で美しい梅を母樹とし高田梅の基礎を作ったのです。昭和25年に数十種類の梅の中から優良品種を選ぶ委員会が発足し、5年の歳月をかけて高田梅が選ばれました。その選定委員長が南部高校の園芸科の先生だったことから、「南部」と「高田」から「南高梅(なんこううめ)」と命名されました。梅のトップブランドとして有名な南高梅は、表面に紅がかかる大粒の果実は、果肉が厚く皮が薄い美味しい梅干しになります。一粒が30グラム前後になります。果肉が柔らかいのでつぶれやすく、機械化があまり適さないので大切に作られています。中国産の梅干しと比べて、2倍以上の値段がつくこともあります。また、梅酒にも加工され人気です。高級志向の贈り物としても選ばれています。